Cleanliness Standard

クリーンルームの清浄度規格

北海道CIC研究所では、半導体製造などのインダストリアルクリーンルーム(ICR)には、「JIS方式」(B9920)、「ISO規格」(14644-1)と「米国連邦(Fed.Std.209D)」、医薬品製造等のバイオロジカルクリーンルーム(BCR)には「WHO-GMP(2014)」規格に適合するように最適なウェアをご提案しています。

「クリーンルーム」の清浄度(クラス)について

「クリーンルーム」とは、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が定められた清浄度レベル以下に管理され、必要に応じて温度・湿度・圧力などの環境条件についても管理が行われている空間のことで、それらの空間の清浄度合いを等級分けしたものを「清浄度」といいます。清浄度の等級・クラスは、『アメリカ連邦規格』(Fed.Std.209E)と、『JIS方式』(B9920)、『ISO規格』(14644-1)に大別されます。

「米国連邦規格」(Fed.Std.209E)

1立方フィート(28.3L)あたりに含まれる粒径0.5μm以上の粒子の数で、清浄度のクラスを分けます。
※1μm(マイクロメートル)は1,000分の1mm。

清浄度クラス 0.1 µm 0.2 µm 0.3 µm 0.5 µm 5.0 µm
クラス1 35 7.5 3 1  
クラス10 350 75 30 10  
クラス100   750 300 100  
クラス1,000       1,000 7
クラス10,000       10,000 70
クラス100,00       100,000 700

「JIS方式」(B9920)と「ISO規格」(14644-1)

清浄度クラス 測定粒径
『JIS方式』(B9920)
『ISO規格』(14644-1)
米国連邦規格
(Fed.Std.209E)
0.1 µm 0.2 µm 0.3 µm 0.5 µm 1.0 µm 5.0 µm
Class1   10        
Class2   100 24 10    
Class3 クラス 1 1,000 237 102 35  
Class4 クラス 10 10,000 2,370 1,020 352 83  
Class5 クラス 100 100,000 23,700 10,200 3,520 832
Class6 クラス 1,000 1,000,000 237,000 102,000 35,200 8,320 293
Class7 クラス 10,000       352,000 83,200 2,930
Class8 クラス 100,000       3,520,000 832,000 29,300
Class9         35,200,000 8,320,000 293,000

【クリーンルームのクラスの基準比較図】
「米国連邦規格(1立方フィート)」と「JIS方式・ISO規格(1立方メートル)」のクラス基準は、以下の通り比較することができます。

WHO-GMP(2014)規格

グレード 最大許容浮遊微粒子数(個/m3 微生物に対する推奨規格値(平均値)
WHO-GMP ISO 14644-1 非作業時 作業時 エアーサンプル
(CFU/m3
落下菌法
(直径50mm)
(CFU/4時間)
コンタクトプレート
(直径55mm)
(CFU/プレート)
グローブ
(5本指)
(CFU/グローブ)
≤ 0.5 µm ≤5 µm ≤0.5 µm ≤5 µm
A Class5 3,520 20 3,520 20 < 1 < 1 < 1 < 1
B Class7 3,520 29 352,000 2,900 10 5 5 5
C Class7 352,000 2,900 3,520,000 29,000 100 50 25 -
D - 3,520,000 29,000 - - 200 100 50 -



業種別クリーン度

「クリーンルーム」の使用用途により清浄度クラスが異なります。以下の表は業種別の清浄度クラスのおおよその目安になります。

形態 業種 内容 工程 クラス(米国連邦規格)クリーン度
100 1,000 10,000 100,000
工場 電子機器 磁気テープ、小型リレー、プリント板、精密計器 製造 100 1,000
組立 1,000 10,000 100,000
半導体 マスク合わせ、エッチング蒸着、研磨、精製、拡散 製造 100
梱包 1,000 10,000 100,000
精密機器 ベアリング、時計、印刷、カメラ、レンズ、フィルム 加工・製造 100 1,000
組立 1,000 10,000 100,000
食品工場 製パン、製菓、製めん 食パン、カステラ、もち、あん、和菓子、ゆで生めん、インスタントラーメン 冷却・包装 1,000 10,000
加工 10,000 100,000
食肉・魚肉加工 ハム、ソーセージ、ちくわ、かまぼこ、冷凍パック 冷却・梱包 1,000 10,000
加工 10,000 100,000
調理、総菜 豆腐、納豆、煮物、弁当 冷却・梱包 1,000 10,000
加工 10,000 100,000
液状、ペースト食品 ジャム、クリーム、チョコレートシロップ、ゼリー 充填・包装 1,000 10,000
加工・製造 10,000 100,000
醸造品 みそ、しょうゆ、酒、ビール 充填・包装 1,000 10,000
仕込み 10,000 100,000
乳製品 牛乳、プリン、アイスクリーム、チーズ、バター 充填・包装 100 1,000
仕込み 1,000 10,000
試験室 検査・分析 100 1,000
その他 農林畜産 きのこ、植物、養殖 種菌 100 1,000
栽培 10,000 100,000
産業分野 求められる洗浄度クラス 対策
半導体工場 Class 1~100 ハイレベルの塵埃管理
電子部品工場 Class 100~10,000 製品の生産性向上と品質管理
光学機械工場 高精度製品への対応と品質管理
精密工場 微細塵埃の除去と製品の品質管理
薬品・食品工場 Class 100~100,000 虫の混入対策
印刷工場 Class 1,000~100,000 製品の仕上がりの向上と品質管理
自動車部品工場 鉄の切粉・鉄のコゲ・くずなど目に見えるもの
手術室・治療室 空気感染を考慮、医師の保護
花粉症対策 スギ花粉の大きさは、30~40µm
インフルエンザ 空気乾燥の対策・密閉度が必要



自然環境の塵埃濃度

半導体を製造する「クラス100」(米国連邦規格)という環境は、地球上では(成層圏までたどり着かないと)自然に感じとることは大変困難です。私たちの身近な環境を清浄度で表してみます。

クリーンルーム化されていない工場は、クラス10,000,000以上といわれ、私たちが仕事を行なっているオフィスの環境はきれいと感じているかもしれませんが、空気中には浮遊物も多く、実はクラス1,000,000以上です。私たちが空気がとてもキレイと感じる海上や森林で、クラス10,000~100,000といわれています。私たちの生活環境の空気中には、目に見えないゴミの数が多く、浮遊している様々な物と共存していると言えます。自然界では存在しない清浄な環境を作り出す空間が「クリーンルーム」になります。

場所・状況 1立方フィート(28.3L)に含まれる粒径0.5μm以上の粒子の数
成層圏 ≦ 100
農村地帯(雨上がり・無風) 100,000∼300,000
住宅地 1,000,000∼
就業中の事務所 2,000,000∼5,000,000
工場地帯 5,000,000∼10,000,000
喫煙を行う会議室 10,000,000∼

お問い合わせ・ご相談

クリーンルーム内で使用するウェアをはじめ、各種ケース・トレー類・パーツ類・冶具、マットレス、業務用の大型テントの洗浄など、あらゆるものをクリーンな状態に洗浄いたします。お気軽にお問い合わせください。